複数回の出稿で判明した、エレベーター最適なクリエイティブとは
  • SaaS
  • IT
  • BtoB
株式会社TOKIUM 様

複数回の出稿で判明した、エレベーター最適なクリエイティブとは

株式会社TOKIUM マーケティング部 ブランドコミュニケーション課 永禮 啓大様

簡単な自己紹介・事業紹介をお願いできますでしょうか?

TOKIUM(https://www.keihi.com/)は経費精算や請求書受領など企業の支出に関するSaaSを提供しており、「未来につながる時を生む」という志のもと、お客様の無駄な時間を削減することを目指しています。私は、マーケティング部(取材当時)に所属しており、認知獲得やブランディングまで幅広く携わっています。

エレベーター広告「GRAND」を導入したきっかけや経緯について

エレベーター広告「GRAND」を導入した背景には、主にTVCMなどと連動した施策の実施による認知向上が目的でした。複数の出稿媒体を検討する中で、オフィスに多く設置されるエレベーターという限られた空間で、短時間でメッセージを伝えることができる媒体特性に注目し、様々な媒体へ認知獲得を目的に出稿する際の一つの媒体として複数回出稿しています。

エレベーター広告には定期的に出稿しており、24年は2月、5月、8月3回それぞれ数週間ごとに出稿しています。

実際の出稿効果(定量・定性的な側面)

エレベーター広告のブランドリフト調査では、後述する、クリエイティブでの実地検証に基づく工夫とCM出稿を連動させたことで、2回目の出稿が1回目に比べて明らかに各指標のリフト効果が高まっていました。特にサービス導入意向31.4%から、42.1%へリフトしました。

また、とある企業の副社長の方がエレベーター広告に接触したことで、商談につながるといった定性的な効果も確認することができました。出社が多く頻繁に得意先に訪れるような立場の方はGRANDが設置されているオフィスビルに足を運ぶ機会が多いため接触機会が多かったのではないかという可能性も感じています。

他施策との相乗効果としては、テレビCMやオンライン広告との接触頻度が減少するビジネスタイムのメディア補完関係という役割が大きいと考えられます。

媒体特性を活かしたクリエイティブ作りの教訓

エレベーター広告におけるクリエイティブ制作で、どのような工夫をしましたか?

エレベーター広告では、視聴者が画面を見る時間がTVより短いことが仮説として、あり実際に放映現場を事前に見に行き仮説を立てました。そうした仮説から最終的にはすでに素材としてあったTV用の動画CM15秒をそのまま流すのではなく、「静止画+動画」という10秒構成に変更しました。




実地検証と改善のサイクル

広告の効果を高めるために、どのようなプロセスを取り入れましたか?

出稿前には必ず実際のエレベーター広告を確認し、視聴者目線で改善点を見つけるプロセスを取り入れました。実際に見に行ってみて気づいたこととしては、エレベーター広告は立った状態で5秒〜15秒程度視聴するものだということです。テレビCMと同じものをそのまま流すのではなく、媒体特性や視聴環境を考慮したクリエイティブの必要性を認識しました。




成果を最大化する検証プロセス

検証を通じて、どのように広告効果を最大化しましたか?

実際の反応を数値として確認できるYouTube広告で10種類以上クリエイティブは制作していたのでその結果を元にクリエイティブを制作しました。もちろんYoutube広告のものをそのまま流すのではなく、そこを起点にエレベーターという視聴環境や接触頻度などの媒体特性を鑑みてクリエイティブを検討しました。この段階的な検証が、成果の最大化につながったと考えています。

また、媒体特性に応じた設計が重要です。

具体的にクリエイティブで工夫した点を教えてください

1.短尺でメッセージを明確に
YouTube用の6秒バンパー広告や静止画素材+4秒を組み合わせ10秒の動画素材に。短時間で要点が繰り返し伝わり、更に60秒の放映枠の中での再生回数=接触頻度を最大化するようにしました。

2.L字デザインの活用
エレベーター特有のL字型画面に合わせて、細かな訴求内容を視覚的にわかりやすく調整しました。これもyoutube用のL字をそのまま転用するのではなく「短い時間で伝えきれるか否か」「Youtubeと違い細かなターゲティングできない前提」を軸としてGRAND用に文字要素を変更しました。また、文字の配置や画面中央部分が途切れる特性に配慮することで、視認性を高めました。








ブランド価値を守りながら媒体ごとにアジャストする

ブランド価値を維持しながら、各媒体に合わせて調整するポイントを教えてください。

どの媒体でもブランドとしての一貫性を保ちながら、次の点にこだわりました:

静止画と動画のバランス
視認性を確保しつつ、動画の動きで視聴者の注意を引く工夫を行いました。

マルチメディア連携
テレビを起点として、YouTube、エレベーター広告など、それぞれの強みを活かしてクリエイティブを最適化しました。




視聴者目線で考える

今回の取り組みを通じて得られた教訓を教えてください。

今回の取り組みで、「視聴者目線で考える」ことの重要性を改めて実感しました。また、他の案件や媒体で得た知見を取り入れることで、さらに効果的な広告出稿が可能になると感じています。

最後に、広告制作における重要なポイントを教えてください。

クリエイティブ制作において最も重要なのは、媒体特性を深く理解し、それに合わせた工夫を凝らすことです。視聴者に刺さるクリエイティブは、入念な検証と実地確認から生まれます。今回の教訓が、他の企業担当者の参考になれば幸いです。

今後の展望とエレベーター広告への期待

今後は、エレベーター広告を「獲得施策」としてさらに活用していきたいと考えています。特にセグメント化されたターゲットへのアプローチが可能になったということなので、より効果的な運用が実現できると考えています。また、リアルタイムで広告の効果を可視化する仕組みが整えば、さらなる活用の幅が広がると期待しています。

エレベーター広告は、テレビCMやタクシー広告と比較しても、接触回数の多さや特定のオフィス層へのリーチという独自の特性があります。これらの強みを生かしつつ、獲得施策としての運用を進めていきたいと考えていま

エレベーター広告を検討する企業へのメッセージ

エレベーター広告を検討する企業にお伝えしたいのは、媒体特性を意識したクリエイティブ設計の重要性です。テレビCMをそのまま使うのではなく、視認性やメッセージの伝達性を考慮した最適なデザインを追求することで、広告効果を最大化できます。また、エレベーター広告は特定のオフィス層へのリーチ力が強い媒体です。リード獲得や認知拡大の施策として、積極的に活用してみてはいかがでしょうか。