「英語が必要だ」と思う瞬間=CEP(カテゴリーエントリーポイント)をオフィスで狙う。90 Englishがオフィスビルメディアを選んだ理由
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90株式会社 様

「英語が必要だ」と思う瞬間=CEP(カテゴリーエントリーポイント)をオフィスで狙う。90 Englishがオフィスビルメディアを選んだ理由

90株式会社 マーケティング管掌 白戸 崇様
導入の背景
オンラインでの獲得は順調だったが、認知が弱かった。顧客層を広げるために認知率を上げなければ、獲得施策も頭打ちになるという課題があった。
導入の効果
動画の最後に置いたキーワードの検索が、放映初週に通常の5倍に。認知を目的にした出稿から、無料カウンセリングの予約と受講の成約も生まれた。

90 Englishは、専属の日本人コーチが週3回レッスン&コーチングで伴走する英語コーチングスクールだ。運営する90株式会社は2021年3月の設立。忙しいビジネスパーソンでも続けられることを軸にサービスを設計している。


同社はGRANDへの出稿で、特定のキーワードで放映初週に指名検索を通常の5倍に伸ばした。認知を目的に始めた施策から、受注も生まれている。


設計の起点にあったのは、カテゴリーエントリーポイント(CEP)という考え方だ。人がその商品を思い出すきっかけになる状況や場面を指す。ここを押さえられるかどうかが、認知を購買につなげられるかを分ける。


90 Englishにとってのその瞬間は、どこにあったのか。90株式会社でマーケティングを管掌する白戸崇氏に、今回の出稿を振り返ってもらった。

獲得は順調。足りなかったのは「知ってもらうこと」だった

出稿前、同社が抱えていた課題は明快だった。

「認知が弱い部分がありました。認知・興味・獲得という各ファネルで、オンラインにおける獲得は、うまくいっていました。ただ、顧客層を広げるため認知率を上げないと獲得施策も頭打ちになりそうだという課題感がありました。」

獲得の数字は出ている。しかし、母集団そのものが広がらなければ、どこかで伸びは止まる。多くのグロース企業が同じ壁に当たる。

同社はこれまで、認知と獲得を両取りできる施策を中心に組み立ててきた。

一方で、認知施策はほぼ手つかずだった。

90 EnglishのCEPは、オフィスにあった

数ある手段のなかで、なぜオフィスビルのエレベーターだったのか。

それは自社のユーザーが、どこで英語を意識するのかを考えた結果だった。

「90 Englishのメイン顧客は、ビジネスパーソンの方々です。そして、英語コーチングサービスは、toCかつコモディティ化しているように見える商材でもあるので、まずサービスを知っていること=認知が重要だと思っています」

ただし、知ってもらうだけでは足りない。白戸氏が狙ったのは、その先だった。

「実際に課題を感じたシーン。つまり、ニーズが高まった瞬間にサービスに触れるという体験が作れないか模索しました。」

これが、同社にとってのCEPの定義である。英語学習への関心が高い人を探し当てるのではない。「英語が必要だ」と感じている瞬間にアプローチする。その瞬間が最も多く訪れる場所が、オフィスだった。

「オフィスビルメディアはビジネスパーソン100%。平日ビジネスパーソンが時間を過ごすオフィス環境で、仕事で英語に対して課題を実感するタイミングに接触できる点。さらに、同僚とともに見ることで、社内での話題化も狙えるのではと考えたことが選定の理由です。」

個人向けサービスでありながら、オフィス環境だからこそ効く。CEPから逆算すると、この設計になった、と白戸氏は語る。

媒体そのものについては、こう評価している。

「メイン顧客層のビジネスパーソンに直接リーチできるかつ、GRANDさんは圧倒的な規模(3.3万社330万人へのリーチ)を誇っています。オフィスビルメディアという媒体の特性上、広告を見る人が固定されている。だから効果を想像しやすかったです」

「誰が見るか」だけでなく、「その人が何回見るか」まで事前に思い描ける。それが、他のオフライン媒体との違いとして挙がった。出社で1回、退社で1回、昼食時やオフィス間の移動を含めればさらに増える。同じ人が、同じ広告に、1日のうちに何度も触れる。

この「何回」という前提が、クリエイティブの設計を決めることになる。


GRANDは東京・大阪・名古屋を中心に3.3万社・330万人のビジネスパーソンに日常的に視聴されている

20秒にサービス名と特徴と信頼感だけを残した

CEPを押さえた場所に広告が出せても、それだけでは足りない。その瞬間に思い出せる形で置かなければ、記憶は検索につながらない。

今回90 Englishには、GRANDで放映できるCM素材がなかった。

そこで採用したのが、フリーアナウンサーの岩田絵里奈氏が第三者の立場でサービスを紹介するクリエイティブ制作込の新プラン「エレベーターピッチプラン」だった。7月から8月にかけて20秒尺で放映した。

白戸氏がこの座組に可能性を感じた理由は、尺の短さそのものにあった。

「過去のオフライン広告の出稿時間は1分尺でした。今回は視聴機会は多くとも、視聴時間が短いため、いかにサービス名と特徴を覚えてもらえるか?そして、toCサービスだからこそ信頼感を出せるか?を軸に検討していました。岩田アナは、認知度が高く、エレベーターピッチという短い時間で簡潔にサービス名と特徴を伝えられるイメージがありました。」

1回の広告でサービスを説明し切るのではなく、何度も接触して最低限、サービス名を覚えてもらう。場所の設計が「複数回」を前提にしているなら、クリエイティブは「覚えられる形」に振るべきだ。サービス名・特徴・信頼という3つの要素は、そこから導かれている。

この3つを20秒に収めるために、制作は構成の往復から始まった。

「20秒の尺は想像以上に短く、要素を追加したくなりがちですが、ご提案いただく内容がかなりシャープかつ説得力があったので、できる限り要素をそぎ落とす決断ができました。」

削ることは、妥協ではなかった。

「要素を削ると伝えたいことが研ぎ澄まされて、名前と特徴と信頼を印象付けるために洗練されたクリエイティブにつながったことは、我々としても発見でした」

削れば削るほど、情報は伝わりやすくなる。

「そしてもう一つ。サービス名を、検索されることを前提にカタカナ表記で動画の最後にご提案いただきました。」

覚えてもらうだけでは足りない。覚えた名前を、その場で検索できる形にする。

完成した動画への評価は端的だった。「これなら覚えてもらえる」

実際に放映いただいた動画

CEPと思い出させるクリエイティブ。2つが揃って指名検索が5倍に

放映が始まると、変化はまず検索に現れた。

指名検索は全体として上向いた。なかでも明確だったのが、クリエイティブ終盤でCTAとして置いた、キーワードの伸びだ。

「CTAのキーワードの検索は、最大で通常の5倍ぐらい増えました。」

ここで、2つの設計がひとつに繋がる。この5倍は、CEPだけでも、クリエイティブだけでも出ない数字だ。

英語を意識する場所で、同じ人に何度も当たった。だから名前が記憶に残った。その名前が検索できる形で置かれていた。だから記憶が検索窓に届いた。片方が欠ければ、数字は動かなかった。

「このビルで見たよ」から、実際の契約まで創出

指名検索の伸び以外にも、反響は複数あった。

「オフィスビルメディアによって初めて90 Englishを知った方も、もちろんいらっしゃいましたし、実際に受講の申し込みもありました。関係者の方からも『このビルで見たよ』などの反響がありました」

社外だけではなかった。90 Englishのコーチは全国に在籍している。

「90 Englishに在籍しているコーチは、全員フルリモートなので全国各地にいます。そのため、大阪・名古屋・福岡などでコーチから「実際に広告を見れて嬉しかった」という声もあり、狙っていませんでしたが、インナーブランディング的な面でもポジティブな効果を感じました。」

岩田氏の起用も、想定を超える受け取られ方をした。

「認知度/信頼度も高い岩田アナにご紹介いただけたことで、『岩田アナが紹介してるサービス』として名前を知ってもらえるきっかけになったと思います。」

そして、反響は「見た」で止まらなかった。

今回の出稿は、認知を目的にしていたが、獲得にも一定効果があった。

「オフィスビルメディアからの獲得は見込んでいませんでしたが、放映してすぐに予約が複数件入り、そこから受講を決めていただいた方もいらっしゃいました」

放映期間中は、商談の場でもオフィスビルメディアの話題が自然に出ていたという。

なかでも象徴的だったのが、成約に至ったある経営者のケースだった。

「出社されている会社のビルで視聴し、カウンセリング申し込みから成約までつながりました。その方は過去に英会話スクールに通われていましたが、挫折された過去がありました。そんな状況で、ちょうど英語の会議に参加しないといけないことが増えて困っていたタイミングだったそうです」

そこに、出社動線で広告が流れた。まさに、CEPを捉えた瞬間である。

「『英語やらなきゃな』と思っていたので、広告を見て気になり、実際に調べていただいて、カウンセリングに申し込みいただけました。そこからカウンセリングを通して、90 Englishでは挫折せずに英語が話せるようになるイメージが湧いて受講を決めていただけました」

社内での受け止めも変わった。

「過去のオフライン広告の結果から、認知が目的の施策では獲得は見込めないと判断していましたが、獲得についても一定効果を感じられました。やはり、どこの媒体に出すかが重要というのは、社内でも認識を合わせることができました。」

白戸氏は、オンラインとオフラインの関係をこう整理する。

「結局、複数媒体で接点を作ることが大事だと思っています。オフィスビルメディアで見たし、YouTubeでも見たし、SNS広告でも見たなど、サービスとの接点が多くなればなるほど、興味・関心は増していく。それをオンライン・オフラインでミックスして、接点を作っていけるかがこれから大事になってくると思っています。オンラインのサービスなので、オンラインに注力という方針ですが、オンラインだけで受講生を増やすには限界が出てくる。だから、オフラインもミックスして施策を考える必要があることも見えてきました。」

「1分1回の接触」よりも、「20秒4回を毎日」のほうがいい。

総合的な評価を聞いた。

「施策の目的が認知だったので、その部分では一定の効果がありました。想定よりも獲得まで繋がったのは、良い意味でのギャップでした」

加えて、事前には織り込んでいなかった効果もあった。

「今後、続けていくことで副次的にインナーブランディング、採用にも効いていく可能性も感じました。」

これから出稿を検討する企業には、どう勧めるか。

「ビジネスパーソンがターゲットで、我々のようにCEPが当てはまっていれば、認知が目的であれば、一定の効果があります。そこから獲得を目指すなら、複数のメディアやアウトバウンド施策などを組み合わせることが大事だと思っています。メディアミックスの中でオフィスビルメディアという形で接点を増やす。例えば、オフィスビルの会社にバイネームでDMなどを実施する施策と組み合わせるとより効果が期待できるイメージを持てました。次に出稿させていただくときには、そういう取り組み方も検討したいと思っています」

最後に、今回の出稿を一言で表すとどうなるか。

「『ちゃんと知ってもらえる』だと思います」

「オフィスビルメディアは、短時間の放映なので効果が合うのか読めないのが正直な考えでした。

しかし、エレベーターだからこそ、短時間でも、同じ人に出社、退社、ランチ外出など、複数回接点を作れるのは強みです。」

そして、こう続けた。

「1分の動画を1日1回見るよりも、印象に残る20秒の広告を1日4回、繰り返し見てもらえた方が、絶対に印象に残りますよね?実際に、効果も出ていますし、ターゲットとCEPとクリエイティブがあっていれば、認知は期待できると思います。」

尺の短さは、回数でカバーできる。そして、その回数が積み上がる場所は、ユーザーが「英語が必要だ」と感じる場所と重なっていた。

CEPのある場所に広告を出し、思い出せる形でクリエイティブ設計する。90 Englishの出稿は、その2つが揃ったときの効果を示している。

会社概要

会社名:90株式会社
設立:2021年3月
代表者:高田 勝太、加々本 雄太郎
所在地:東京都渋谷区桜丘町16-13 桜丘フロントⅡビル
事業内容:英語コーチングスクール事業
URL:https://90english.com

出稿概要

出稿メニュー:GRAND|岩田絵里奈アナウンサー エレベーターピッチ(タイアップ動画)
放映期間:2026年7月〜8月(計4週)
尺:20秒
出稿目的:認知